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春原さんのうたのsanchangのネタバレレビュー・内容・結末

春原さんのうた(2021年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

全く乗れず。なにか辛いことがあった主人公のその後の日常や、周囲の人々の優しさなどを自然な演技で描いた映画という印象。
主人公に辛いことがあったんだろうなというのは分かるが、何があったのかは描かれない。監督のポリシーとして、アンチカタルシスなのか、分かりやすいものに抗っているのか、なぜこの主人公や主人公の周りの人たちがこういう言葉を発するのか、泣くのか、気を使うのか、ほぼ説明がない。しかし「何か」があった彼女について描くのに、その「何か」を監督があえて迂回するような撮り方をしている。ものすごく監督の恣意性を感じたし、リアリティを奪うものに感じた。たった2時間の映画で「何か」を意図的に排除した「リアリティ」や「日常」を見せられても、どーでもええわという感じがした。

感想などで、「大切なパートナーを喪失した主人公の再生」という背景への言及があったが、それは映画で語られていることではないし、行間から読み取ったとしても推測の域をでない。もしパンフレットに言及があるなら、それは十分な映画とは言えない。私はこの作品は支持できない。

【追記】
と思ったら、公式サイトに以下説明あり。

「美術館での仕事を辞めてカフェでのアルバイトを始めた沙知(24)は常連客から勧められたアパートの部屋に引越しをする。そこでの新しい生活を始めた沙知だったが、心にはもう会うことの叶わないパートナーの姿が残っている。」

え?映画って公式サイト見てから行かなあかんの?なぜ映画で描いてないことをサイトで文字にすんの?いずれにしろ納得いかないのでマイナス0.5点しました。
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