emu

春原さんのうたのemuのレビュー・感想・評価

春原さんのうた(2021年製作の映画)
4.2
多くを語らず、ただそこに居る人々の日常をカメラの向こうで静かに見つめる。あまり差し込む光がこんなにも眩しく美しいのは、夜がこんなにも暗く輝いて見えるのはきっと私が生きている証明。寂しいのと悲しいのは似ているようで違っていて、貴方がいなくなっても毎日は止まらず進んでいく。たとえ会えなくなっても、心のなかで彼女が会いに来てくれると知っている。私は変わらず日々を過ごしていくけど、貴方のことはきっとこれからも私の一部なんだ。
ご飯を食べること、眠りにつくこと、周りの音に耳を澄まして、誰かのことをいつもどこかで思っている。これがコロナ以後の世界ということも含めて、言葉はなくとも人の優しさ・あたたかさが身に沁みるほど伝わる。大好きな作品。
emu

emu