xavier

リバー・ランズ・スルー・イットのxavierのレビュー・感想・評価

3.8
時が過ぎても僕は忘れない、父の誇りだった弟の眩しい笑顔を…
厳格な牧師の家庭で育てられた真面目な兄ノーマンと自由奔放な弟ポール。対称的な兄弟を結びつけているものは父から教わったフライフィッシングだった。成長した二人は、1人は大学に進むために街を離れ、1人は故郷へ残り新聞記者として働き、それぞれの道を歩き始めるが…
ストーリーはこんな感じ。
自伝的な小説が原作の作品。原作はアイオワ州が舞台だが映画ではモンタナ州になっている。

まず、何と言ってもモンタナの自然が美しい!森を流れる清流はキレイだし、そこで行われるフライフィッシングは絵画のようだしね。でも、そんな清流でも所々では激しい流れもある。この川の流れが人生を現している…
ノーマンとポール、まるで正反対な兄弟。
面白い事ひとつも言えない真面目な兄ノーマンに、向う見ずで明るい弟ポール。
そんな二人は父から教わったフライフィッシングで、自分たちの川の様な川で釣りをする。そんな二人は兄弟仲も良くケンカもしないんだけど1回だけ大ゲンカをした事があった。
まぁ、あれはポールが悪いよね。流れが激しい場所でボートに乗り川下りをしようと言いだしたんだから。兄弟の幼馴染も川の流れにビビってボートに乗らない中、ポールだけ川下りをしようとしたんだけど、ポールを心配したノーマンも同乗する事に…
何とか急流を乗り切った兄弟だったんだけど、多分そんな事を言い出したポールに腹が立ったんだろうね、帰ってから殴り合いの大ゲンカをするんだわ。でも、この兄弟後を引きずらないから、その後はケンカもしない兄弟仲になっていく。

常に明るい素振りで悩みなど無い様に見えるポール。でも時折見せる顔が気になったんだよね。
「助けが必要なのに、人って素直じゃないのね」って劇中のセリフが現していたんだね、ポールのこと。
まさか、あんな展開が待っていようとは…

この作品は、家族の事、特に兄弟の事が淡々と描かれている。自然がキレイなのと淡々と進むストーリー展開に眠気にも襲われそうなぐらいなんだけど、観終わった後になんかジワジワと心が動かされるんだよね、なんか不思議。
目にも心にも優しい作品でした。
xavier

xavier