ピタゴラ侍

アリスとテレスのまぼろし工場のピタゴラ侍のレビュー・感想・評価

3.6
「さよならの朝に約束の花をかざろう」という映画がもう5回ほど見てるのに毎回号泣するほど大好きで、同じスタッフが作ったと言うこの映画も見ないわけには行かないと映画館に足を運びました。見た結果は…うーん…笑

①ストーリー 5/10
私には難しいと感じました。島の人々が普通に暮らしてた中、ある少女がパラレルワールドみたいなところからやってきて、現世界からパラレルワールドが見えるようになり、現世界に留まるために気持ちを変化させてはいけない…と言う感じのストーリー。意味不明と思われるかもしれませんが、本当にこんな感じでした。最後のオチもいくつか疑問が残ったままでよくわからず…。

②キャスト 10/10
これは本当に本当に良かった。榎木淳弥と上田麗奈といういまやアニメ界に欠かせない2人がダブル主演。榎木淳弥は主人公にピッタリだったし、上田麗奈はブチギレるシーンが迫真の演技でさすがと思った。そこに八代拓、畠中祐、河瀬茉希、藤井ゆきよと実力のあるメンバーで周りを固めているのがエモい。特に藤井さんの大ファンなので起用してくれてありがとうと大声で叫びたい。好きな映画監督の作品に好きな声優が起用されるのは心が燻られないわけがない。八代拓も演技の幅が広い。今後更に売れていき声優界の顔となると思う。それに悪役の佐藤せつじさんの配置もナイス。この人はよく叫ぶ狂ったキャラは凄くピッタリだと思う。瀬戸康史と林遣都をちょっと大事な役に起用するという謙虚さも良かった。お二人とも俳優がやってるなってわかる演技だったけど全然酷くなかったし、何より主人公ほど出番があるわけではないので、作品の邪魔をしていなかった。俳優女優を声で起用する場合はこのようにちょっと大事な役に抑えるのが話題性も呼べるしいいと思う。他の作品も見習ってほしい。

③映像 10/10
これも文句ないです。それが割れるシーンや爆発のシーンはとても綺麗だったし、雪の描写がリアルで驚いた。

④キャラ 5/10
特に印象に残るキャラはいなかった。ヒロイン(上田麗奈)の心情はよくわからなかった…笑
主人公の友達の太っちょ(八代拓)は最初嫌いだったけど段々好きになってくる。
あとさりげないけど一時はピンチを救う主人公のおじいちゃんがかっこよかった。

⑤メッセージ性 6/10
今作は「異性への愛」をテーマにした作品だと思う。ただ、制作側の趣向が強いのか…ちょっと生々しく独特な恋愛観で、苦手だと感じる人もいるのではないか。恋って何という問いに対して「痛い」と「(一緒に)いたい」をかけているのはなるほどと思った。
でも、やっぱりキスシーンがリアルで長すぎだと感じた。今時の中学生はあんな濃厚なキスを知っているのか。パンツが何回か映るのは今の時代賛否両論ありそうだし、主人公がいるのに目の前で母親に告っちゃう叔父さんもどうかしてると思った。

でも何故だか印象には残る作品。
岡田麿里監督の作品は今後も注目していこうと思う。