ましゅまろ王子

戦場のピアニストのましゅまろ王子のレビュー・感想・評価

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)
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第二次世界大戦中ナチス占領下のポーランドを生き抜いたピアニスト、シュピルマンさんの実話を元にした物語

多くのユダヤ人がそうだったように日毎に状況が悪くなり、家族も住むところも、何もかも失います。
止まない攻撃の手から、ボロボロになってもなお逃げ続けるのですが、その表情から、一体何を拠り所に辛い中を必死に生きているのだろうかと考えさせられました。
自分だったら、足がすくんで動けないか、寂しくて辛くて早く楽になりたいと思ってしまいそうです。

物語の終盤でついにドイツ兵に見つかってしまうのですが、そこで職業を聞かれ「ピアニスト」と答えると、ピアノを弾くように命ぜられます。

何もかも失って、食べるものもなく歩くのもままならないのにピアノの腕は鈍るどころか素晴らしい演奏を披露します。
ピアニストというのは職業じゃなくて、シュピルマンさんの生き方そのものなんですね。

そのおかげかわかりませんが、銃殺から逃れ、食べ物まで与えられることになります。

察するにドイツ将校はピアノの演奏に感動したというよりは、迫り来る敗戦後の生活を見据えて、少しでも自分が助かる為の駒を持っておきたかったのだと思います。

シュピルマンさんもまた、終戦後の身の振り方を聞かれて「またラジオでピアノを弾きます」と答えていて、本当に力強い人だと思いました。   
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