ピアニストの感動的なお話…ってイメージだったから、残虐なシーンとかは少なくてお涙頂戴系かなぁと思ってたけど、
悲惨で、戦争の生々しさをきちんと描いていて、その中での人の心の動く瞬間を静かに表現していて、素晴らしいなと思った。
残虐な殺戮シーンでの恐ろしさももちろんだが、
人の温かさはあるものの、お互いに自分や自分の家庭を最優先にできる範囲の善意を余裕の無いみんなが生きるのに必死だった姿が、戦争の恐ろしさをさらに物語っているように感じた。
人は人を簡単に殺すし、生かす。
行き着く先々の窓、壁、割れたガラスの間、どこから見た風景も、いつも死が映り出していて、逃げても逃げても人の恐ろしさを感じて、今生きる自分たちの家からは、生活と自然に溢れた当たり前の平和が映し出されていることがとても幸せなことなのだなと、噛みしめた。