ポーランドのピアニストが弾くショパンと戦争。道端の腐った死体、泥の匂いを描いてる。
ユダヤ人であるシュピルマンは迫害されるが、ツテを辿って色んなところで匿ってもらうのだけれど、匿ってくれる人たちにもどんどん余裕がなくなっていく様子を克明に描いていて興味深かった。
だから、捨てられても文句は言えない。怒りの捌け口が見つからない苦しみがある。
疲弊の極致にあって、次第に感情を見せなくなるシュピルマンが最後、ショパンを弾くことで再びそれを取り戻すところはベタだが泣く。
最後のドイツ兵とのくだりが白眉。一気に吐き気がこみ上げてくる。
パルム・ドール作品、23/91 観た