倉持リネン

戦場のピアニストの倉持リネンのレビュー・感想・評価

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)
4.8
当時のユダヤ人迫害については昔調べたことがあり、どのような酷い扱いを受けていたのかは一応知っていたが、その始まりがこんなにもシームレスというか、腕章を各自に用意させたり自らの足で引越しをさせたり。。

劇中にあった「早く死ねた方がラッキーかも」というセリフにも頷きたくなるほど、希望を持たせたまま緩やかに死に向かわせる彼らの卑劣さは酷いものだった。

その一方で、遊び感覚で人を殺すナチには怒りを感じるものの、彼らもまた洗脳されて人殺しにさせられた被害者打とも思う。

物語中盤の、ユダヤ人が反撃するとは思わなかったでしょう、というセリフには衝撃を受けた。なんだと思われてるんだ……


逃げる生活を始めてからはあまりピアニスト要素が出てこず、ピアニストである必要あるのか?と一瞬思ったが、中盤隣の部屋から聞こえるピアノの音を愛おしそうに聴いたり隠れ住んだ先でピアノを見つけて音を立てないように空で指を動かしたりする時の活き活きした表情に圧倒された。

無論、終盤の長尺のピアノ演奏も圧巻。落涙せずにはいられなかった…


エンドロールで「ポランスキー」って流れてきて、まさかあのポランスキー!?って思ったらやっぱり、、、

奥さんのシャロンテートも赤ちゃんも亡くして、迫害を受けて親も殺されてるとか辛すぎる。。よくこの映画作ってくれたなぁ。感謝……
倉持リネン

倉持リネン