『ファーザー』の監督作。離婚して、新たな家族との生活を始めていたピーター（ヒュー・ジャックマン）。そんな彼の元に前妻のケイト（ローラ・ダーン）が尋ねてくる。一緒に暮らす17歳の息子ニコラス（ゼン・マクグラス）の様子がおかしいと…。
はー、打ちのめされた……。親、子供、子育て、と世間は簡単に言うけれど、本来一括りにはできないわけで。色んな親がいるし、色んな子供がいる。私もその中のひとりの親として子供と向き合っているけど、これが正解なのか？こんなに愛してるのに何でわかってくれないんだ？と、日々葛藤することもある。そんな私もまた、親にとっては子供なんだよな。巡り巡る。そういう親と子の"心の在り方"みたいなものが見事に描かれている。
特に「自分が嫌いな役を全力でやるのは悲しい」というセリフが共感度大だった。自分もそう思ったことがあるし、そうか、あの時私は悲しかったんだ、と気づいた。
重い話ではあるけれど、ぜひ全親に観てほしい作品。そして、"生けるエンターテイメント"ヒュー・ジャックマンの繊細な演技に心からの拍手を。
