JTKの映画メモ

フィル・スペクターのJTKの映画メモのレビュー・感想・評価

フィル・スペクター(2013年製作の映画)
3.6
アル・パシーノがフィル・スペクターを演じてたなんて、わしゃ全然知らなんだ。

なので緊急鑑賞。

ビートルズファンやオールディーズファンなら知らん人はおらんくらいに有名な人だし、人となりが相当なイカレポンチってのも知られたところ。

この映画も、主役の2人以外の全てがチープなテレビドラマみたいな作品なんだけども、それなりに殺人事件以降のことは網羅されとって。
フィルの部屋に行けばジョン・レノンの写真は置いたるし、フィル自身がチョイ役で出た映画「イージーライダー」のポスターは貼ったるし、バックには自身がプロデュースした楽曲はかかるし、その他諸々。なんていうか、テンション上がるし、ワクワクするし、好きなことだから集中力ダンチ。

この映画は、裁判の途中で終わってしまうが、その後のことは音楽ファンなら周知のこと。

わしは、どんな創作物であろうと、作者と作品の関係は切り離せるものではないが、作者がどんな悪人であろうと、作品自体はどうにかなるものではないと思う。

フィル・スペクターと一緒に創りあげた、ジョージ・ハリスンのビートルズでの鬱屈が解放されたような大傑作「All Things Must Pass」や、ジョン・レノンのロック史上最高峰の傑作「ジョンの魂」、全ての人類に"愛の平和の人"なんていう誤解を与えた「イマジン」などなど。創り手がどんなに悪人だろうと、その音楽の輝きは永遠に失われはしない。