ちゅんせ

流浪の月のちゅんせのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
4.0
舞台挨拶にて。
原作読了。

10歳の少女・更紗が1人雨に打たれているのを見た19歳大学生・文。伯母の家に帰りたくないという彼女の気持ちを汲み自分の部屋に入れる。更紗は文のもとで2か月を過ごし、文は誘拐犯として逮捕されてしまう。被害女児、加害者という烙印を押された更紗と文は、15年後に思わぬ再会を果たす。

長尺150分ずっと容赦ない描写と言葉に心がザワつく。加えて憑依したかの様な演者の怪演が見る者を圧倒する。
横浜流星の既存のイメージとかけ離れた演技に恐怖すら覚えた。
なにより、松坂桃李、広瀬すずの熱演が宿命とは恐ろしくも美しいと訴えかけてくる。

真実を知らない者たちの無責任な憶測と偏見が当事者を苦しめる。何一つ同じ事件というものもない。誰もが違う背景で人生という物語を紡いでいる。確実なのは野次馬たちは物語の主人公ではなく脇役に過ぎない。歳が離れていても時が経っていても強い繋がりが存在することは実体験として知っている。
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