しおさいちゃん

流浪の月のしおさいちゃんのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
4.5
静かで力強い作品でした。

2時間半もある映画を観るのは久しぶりでしたが、その長さを感じることなく没頭して観られたのは、余計なものがなく研ぎ澄まされていたからかと思います。

それぞれの役者が人物そのもの、生々しい人間として確かにそこに存在していて、特に皆の目が本当に印象的でした。
だからこそものすごく惹き付けられてしまって、更紗と文が穏やかな日常を過ごせることを心から願って。二人に向けられる世間の目の容赦のなさに絶句して。痛々しさや悲しさを一緒に飲み込むように観ている感覚でした。
それでも鑑賞後にずっしりと暗い気持ちにはならなかったのは、本作の美しさの現れなのかな...。

絶対にまた観たいです。