JEDI

流浪の月のJEDIのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
4.5
人は見たいようにしか物事をみない。
だから当人の感情は無視され、勝手な親切で囲ってきたり、決めつけで事が進む。
社会人らしく、学生らしく、男らしく、女らしくみたいに〜らしくをやたら意識する世間の、普通と呼ばれる型に当てはまらなければハズレとして切り捨てられる。目に飛び込んでくる最初の情報が事実だからこそ、冷静に原因と真実を理解しようとする姿勢を持たなければいけないと感じた。
反対に、姿形を変えてもそこにあり受け入れられるもの、それは月や雲、天気といった自然であり、だからこそ文と更紗はそこに吸い込まれるように入り、堪えていた感情が溢れ出してしまったのではないかと思う。更紗がよく大空を見上げていたのも同じ理由だと思った。

1シーン1シーン本当に拘って丁寧に撮る李監督だからこそ作れた作品だと思うし、役者は完璧だったと思う。文がcalicoから連行されるシーンで、自然と涙が出てきたことに驚いた。
本当に素晴らしい映画だと思う。
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