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流浪の月のayellowbirdのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
3.9
2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆうのベストセラー小説を、李相日監督が広瀬すずと松坂桃李の主演で映画化!
ある日の夕方、雨の公園でびしょ濡れになっていた10歳の少女・家内更紗に、19歳の大学生・佐伯文が傘をさしかける。伯母に引き取られて暮らす更紗は家に帰りたがらず、文は彼女を自宅に連れて帰る。更紗はそのまま2カ月を文の部屋で過ごし、やがて文は更紗を誘拐した罪で逮捕される。“被害女児”とその“加害者”という烙印を背負って生きることとなった更紗と文は、事件から15年後に再会するが…。

更紗と文、それぞれが抱える心の傷に打ち震える作品。更紗の傷、それは伯母宅での日常、そして更紗を助けてくれた文の人生を台無しにしてしまったことへの後悔。文の傷、それは更紗にさえ言えなかった自分自身のこと。ただ、文と再会したことで、更紗の傷は癒えるきっかけを得るのだが…。
死のうと思った時に、心の支えになったのは、手の温もりであり、一緒に見上げた月だった。エンドロールを眺めながら、大いなる切なさと共に、呪縛から解き放たれた安堵感に浸っていた。
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