シャオルデス

流浪の月のシャオルデスのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
4.0
見終わってからもその余韻で、すぐにその感情を文字にできない感じ…

文演じる松坂桃李さんが役作りですごく痩せててその外見に驚き、感情の起伏のない不気味なほどの演技がすばらしい。更紗演じる広瀬すずさんも、私の今までのイメージと違ってかなり体当たりの演技でした。10歳の更紗を演じた白鳥玉季さんは、可愛らしい無邪気な一面と少し危うげで色気のある面の両方をもち、引き込まれました。

「わたしは可哀想じゃない」

2人にしか分からない時間と、2人の気持ちなど到底分からない外の世界。そんな世界に何とか適応しようとしたり、もがく姿はとても苦しそうで、非常に繊細に感じた。「人は見たいようにしか見ない」そうかもしれない。どうしたらあの2人は幸せに暮らせるのか。どうすれば他人が介入しない世界で生きることができるのか。いろんな価値観があるこの世界は一つ。そう考えると、他人には疎まれながらも、生きていくしかないのかもしれない。過酷であろうこれからの二人の人生は、二人でいるからこそ乗り越えられるものだと思いたいです。

作品の中の風景、雨、水、月は本当に美しく音楽もすごくよかったと思う。

かなり重い作品だったけど、ずっしり心に残りました。