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流浪の月のnaoズfirmのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
3.5

平穏🎬

ストーリーは15年前に起きた誘拐事件の被害女児と加害者の再会を描いた作品でした。作品は再会をきっかけに再び動き出す時間を軸に、事実と真実、本物の愛とは何かについて描かれていました。この世の中で伝えられている出来事の大半は100%の真実や事実ではなく、切り取られたものや歪められたものが蔓延っています。また当事者・非当事者の間で解釈・捉え方・情報量・真偽が異なる部分が多く、私たちはバックグラウンドやプロセスを無視した形で解釈や判断を行っていることも少なからずあると思います。行った出来事一つひとつに対し、全てを知った上で判断を下すべきだと思いますが、そんな事は到底不可能です。誰もが自分の価値観や常識と盲信してしまっている事を忘れてはいけません。今日ではSNSの普及と共に、個人情報があっという間に拡散されデジタルタトゥーとして一生涯残り続けてしまいます。投稿する側は正義感や気軽な気持ちで行った事が人の命を奪う大きな出来事に直結します。日本は他国と比べ圧倒的に、はみ出し者や人と異なるものに対しての見方や態度が厳しいです。これは過去の歴史や国民性など様々な要素が重なり形成されたものであり、メリットやデメリットはあります。アイデンティティは確かに尊重されるべきものであり、他人に歪められるものではありません。ただ"郷に入れば郷に従え"という言葉があるように、どこに行ったとしても1%も妥協や変化をしない事は絶対にないと思います。
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