『ズートピア』の制作陣が手掛けるディズニー長編アニメーション60作目。
魔法の家とそこで暮らすさまざまなギフト=能力をもったマドリガル家。
その中で唯一ギフトを与えられなかった普通の少女ミラベルが、家族のピンチに立ち上がる。
序盤からミラベルの立場がキツすぎてずっと泣きそうになってた…
みんなの役には立てなくても何かしらの能力を持っていれば話は別だけど、ミラベルに関しては運じゃん…っていう。
ただ、そこからギフトを与えられた側の苦悩にもフォーカスする構成は見事。
一見イキイキしているように見えても、その裏では周囲のプレッシャーや「こうでなければいけない」という呪縛を自分に課して苦しんでいる。
存在価値ってなんだろうって思う。
生きるのに理由もいらないし、目的もいらないのに、みんなそれを求める。
人の一生は何も持たずに生きるには長すぎるのかもしれない。
昨日読んだ本に引用されていた、
『小指がいないとさみしいものだ
役に立たないものは 愛されるほかないものだから』
という寺山修司の詩に通じるものがあった。
みんな小指でいいのにな。