Kuro

バトル・ロワイアル 特別篇のKuroのレビュー・感想・評価

4.5
劇場公開版を過去に一度観賞し、今回“特別篇”を観賞。

こんなにメッセージ性強い映画だったっけ?
良い意味で面食らった。
内容は言わずもがな、中学生が殺し会うというショッキングなデス・ゲーム物。インスパイアされた漫画、映画は数知れず。

映画「バトル・ロワイアル」はそれらの原点でありつつ、昨今の量産されたデス・ゲーム物にあるエログロを売りにしたような作品とは少し違った雰囲気を漂わせている。直接的なグロ描写は少なく、無垢な子供達が疑心暗鬼になり狂ってしまうという、精神的にジワジワと来る残酷描写が多い。エログロだけの何も残らないデス・ゲーム物なんかよりよっぽど心に迫る物がある。

突如、戦場に放り込まれた中学生達は、ある人達は狂い、ある人達は心中、そしてある人達は必死に生き延びようと策を練る…という多種多様の描き方をしていく。

そんな彼らとは対照的に教師のキタノは飄々とゲームの説明をし、生徒をいとも簡単に殺戮したりする恐怖の対象として“最初”は描かれるのだが、次第に追い込まれた大人であるということが判明し、彼の闇も断片的に描いてゆく。

子供と大人は何故反発しあうのか。
“特別篇”に追加されたラストのキタノのメッセージ。劇場公開版が子供達への強烈なメッセージが主だったのに対し、特別篇は更に大人達へのメッセージも加わっている。

単なるバイオレンス映画の枠には収まらない、青春映画。
Kuro

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