クリーム

衝動のクリームのレビュー・感想・評価

衝動(2021年製作の映画)
3.7
夜の渋谷、訳アリな少年少女達の生き辛さを描いている。フィクションなので、とことん残酷。だけど、直接的にグロいシーンは、ないので観やすかったです。実際に似たような境遇の子達は、居るんじゃないだろうか。
主人公ハチは、渋谷で違法薬物の運び屋をしてる。生きる気力もなく、日々を過ごしていたある日、アイという名の少女に出会う。アイはデリヘル嬢で、ある事情から話せません。筆談で2人は仲良くなって行くのでした。



ネタバレ↓



何故生きているのか?自問自答して生きているハチとアイが、底辺で絶望しながらもお互いに引かれ合い必要とし合う物語。
アイは、父にレイプされ、殺してやりたいと思っていたが、去年の渋谷の無差別殺人の被害者で、父はアイの目の前で殺された。
ハチは、兄が殺人を犯して、壮絶なイジメに合い、両親は自殺、地元に居られず、渋谷にやって来た。ハチの記憶では兄は優しかった。どこかで信じていたのにハチが可愛がっていた猫を殺したのは兄だった。
それでもハチは、アイと生きたいと思った。浅はかにもドラッグを盗み売れば金になると思った。2人とも元締め達から逃げられると思ったのか?無理に決まってるのに。捕まり、ハチは、変態ジジイにレイプされ、アイも元締めにレイプされた。
だけど2人は、一緒に居たくて、本名を名乗り合う。そこで、ハチは自分の兄がアイの父を殺した事に気付き、衝動的にナイフを持ち見知らぬ人を、刺し殺して逃げます。(この辺は理解に苦しむが…)追い掛けるアイ。ハチは、アイと生きたかった事を告げるのでした。
エンドロールの後にネットカフェの店員として働くアイが映しだされ、話せる様になっていました。

悪い方へ悪い方へ転がって行くストーリーですが、2人が引かれあったり、必要としあったりしている姿が、微笑ましかったです。結果、ハチは犯罪を犯してしまうのですが、これが衝動って事だったのだろうか?兄と同じ血がながれていると?イマイチ解りにくい。
まあ、アイちゃんがまともな仕事をして、喋れる様になってたので良いけどね。B級のわりに面白かったです。
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