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私ときどきレッサーパンダのtomohitooguroのネタバレレビュー・内容・結末

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

毒親描写はさすがにしんどかったけど、あれがあったからこそのラストの爽快感だと思う。

今作におけるレッサーパンダ化は家族を大切に思うことが契機に生まれた能力の筈なのに、現代においてはアップデートされていない「呪い」として機能してしまっていた。これは凄く皮肉なことだと思う。家族が大切ってのは御もっともであるからだ。

今作ではこの呪いを自己表現や自分らしさのメタファーとしても機能させており、物語終盤でそれは顕著だった。作中でレッサーパンダ化することの意味というか物語の中での主張がブレている印象は多少感じたが、結局は自分らしく生きることへの後押しであるこの映画の主題には完全同意であるし表現として素晴らしいと思った。

壮絶な親子喧嘩を観せてもらった。素晴らしい作品。
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