ごまだんご

私ときどきレッサーパンダのごまだんごのレビュー・感想・評価

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)
4.2
羞恥心×親子×青春。
「”じぶん開放”エンターテイメント!」
というキャッチフレーズがとても合っている。
アニメーション表現がとにかく面白い。日本のアニメをリスペクトした演出の数々。それはキャラクターの表情からちょっとした動きや持ち物に至るまで。日本人として嬉しくなります。
近年のピクサー映画の中で感じていた「キャラクターのビジュアル面の魅力不足」を見事に払拭する個性豊かなキャラクター達が本当に可愛い。メイのレッサーパンダ姿は言わずもがな可愛かったけれど、人間バージョンの彼女も可愛かったのは意外だった。動きや言動が自尊心が高くて周りとズレている女の子そのもので、見ているとこっちまで恥ずかしくて、でも楽しくなる。彼女と同様に、友達の3人も本当に魅力的。中でもアビーはキュートな表情に破天荒な性格が合わさって唯一無二な存在感を放っていました。今作では彼女が特にお気に入りです。
このように、キャラクターの魅力で押しまくるタイプの映画、かと思ったらストーリーはしっかりしていて、深いです。
監督の前作「バオ」では親目線の親子関係を描いていましたが、今作は子供から見た親子関係を描いていたという感じ。親だって、色々な悩みがあり大人になる。そして、子供に学んだことを伝えていく。それが本当に愛があることだとしても、子供からしたらそれが正解とは限らない。親子喧嘩をすることで、子供は成長していくんだなと。
青春映画であり、SFでもあり、怪獣映画でもある。視覚的にも凄く楽しい。ピクサーの新しい可能性を感じられた快作でした。

…あ、ライブのシーンがとにかく最高だったので、アイドル好きな人はみんな観てください。本作を絶対好きになれると思います。
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