好き嫌いが分かれると思うけど、これは力作！『エブエブ』もそうだったけど、昨今はアジア系移民2世の物語がトレンドだよな〜。映画館で見たかったな…
アジア系の女の子がいきなりレッサーパンダになっちゃうのは第二次性徴期を表していると思うけど、その年頃の女の子の反発とそのお母さんとの関係性を丁寧に描いているのが良かった。
『タイガー・マザー』という本があるように、結構中国系の家族は息子と娘に厳格で勉強にも厳しい所が多い。だから主人公の娘も基本的には良い子でガリ勉なんだけど、レッサーパンダになった事で徐々に母親と家族のしきたりに反発するようになっていく様をユーモラスに描いているのが良かった。自分はカナダで生まれ育ったのに母親はアジア的な価値観を押し付けてくる…そりゃ年頃だったら反発するよな…
レッサーパンダになる事でアイドルグループのコンサートに行くお金も工面できるようになるけど、これは女性の体になる事でお金を稼げるようになるという事でなかなかシビア。かわいいタッチで覆われているけど、その中にあるのは結構シビアな現実だったりするとこが良いよな。
終盤の展開もまさかの大迫力でお見事！娘も辛いが母も辛い！みんなかつては少女だったんだよね…というかアイドルグループはK-POPアイドルがモデルみたい。曲調からだとバックストリートボーイズかと思った。
少女から大人の女性になる心の浮き沈みを子供向けファンタジーでくるりと包み込んだ力作。男の子は校庭で走り回っている場合では無い！デッカいレッサーパンダをその目に焼き付けろ！
