HF

私ときどきレッサーパンダのHFのレビュー・感想・評価

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)
1.0
ピクサーファン歴20年以上の自分だが、今作は個人的ピクサー映画史上ワースト1位の作品。
たぶん自分はターゲット層に入っていないのだろう。
2000年代のピクサー黄金期の作品が好きな自分からすると「本当にこれピクサーが作った映画なのか?」と疑うばかりである。
開始5分で劇場を去ろうかと思ったし、もはや目を閉じて台詞だけ聞き取ればいいやと思ったこともあった。

一番受け付けられなかったのは登場人物のデザイン。
顔がデフォルメされているのはまぁいいとしても、手足が丸すぎたり頭身が低かったりとまるで指人形みたいなのが無理だった。
ただこれは後のピクサー映画「ルカ」や「エリオ」でも同様になっている。
「インサイド アウト2」ではちゃんとした頭身になっているし、今作ほどデフォルメしていない。この路線に戻してほしい。

ギャグシーンが頻繁に挟んでくるが、顔のドアップに変顔。これも悪い意味でピクサーらしからぬ演出できつかった。
目も極端なデフォルメで日本の少女漫画の如くキラキラになったり、お金のドルマークになったりとこれもきつい。
別のアニメスタジオ制作だったならばこういうものかと受け入れられたのかもしれない。
しかし「トイ・ストーリー」「バグズ・ライフ」「モンスターズ・インク」「ファインディング・ニモ」「ジ・インクレディブルズ」「カーズ」「ラタトゥーユ」「ウォーリー」「UP」等を楽しんできた自分にとっては、これらとあまりにも作風が違いすぎて無理だった。

話の展開も早口の会話が延々と続くし、登場人物の全てが常に慌てている感じがして見ている方が疲れる。「間」の演出がない。
また昨今のトレンドを意識しているのが感じられるのもまた引いてしまう。実際には違うのかもしれないが。2000年代のファッションことY2K、K-POP等々…
全体的に音楽も自分好みではなかった。

ただ今作を楽しめた&好きという人もいるだろう。
それは主人公のように毒親に育てられた人や、アイドルグループが好きな人、10代前半までの女子などが当てはまるのではないか。(偏見だが)

冒頭に述べたように今作は「自分はターゲット層に入っていない」と感じた。だから楽しめなかった。
こんなにもピクサー映画と相性が合わない日が来るとは思わなかった。二度と見ることのない映画だ。
HF

HF