まるまるまる

13デイズのまるまるまるのレビュー・感想・評価

13デイズ(2000年製作の映画)
3.3
結末は分かっているし、キューバ危機を描いたフィクション、ノンフィクションの映画、テレビをいくつも見ているのにやはり引き込まれてしまう。それは恐らく、第二次世界大戦以降、この危機が数少ない戦争に至らなかった対立だということと、ある種の神格化されてしまったケネディというカリスマ的キャラクターが物語の中心にいるからだろう。この映画の面白いところは、映画の主人公はケネディでもボビーでもなく、大統領特別補佐官のオドネルだというところ。彼の目を通じて、決断を下し事態を収束させていく大統領の苦悩が描かれいる点だ。当事者ではあるが、決断を下す本人ではない。その僅かな客観が、逆に大統領の様々な圧力に向かう苦痛が伝わってくる。ケネディ兄弟に寄り添い、時には反対意見もぶつけ、プレッシャー下の二人を支えるオドネルが、戦闘回避後、寡黙で重苦しい何かを背負ってしまったような姿がこの鍔迫り合いの勝者など誰もいなかったということを物語る。
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