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ブリュノ・レダル、ある殺人者の告白のPolaroidのレビュー・感想・評価

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冒頭、斜め上からのショットがブリュノをすごく人相悪そうに見せるが、正面から見れば別にどうということもない普通の男の子で、狂気のようなものは感じられない。ちょっと陰キャっぽいくらいか。

正直、彼の内的論理がよくわからない。

裕福で育ちも頭も良いブロンデルをぶっ殺したらめちゃくちゃ気持ちいいだろう
⇒それができそうな状況になって興奮
⇒興奮したから事前に抜く(わざわざ木にかかった大量の精液まで映す)
⇒賢者タイム突入、まあ今はいいや、解散
⇒でも後になってやっぱり誰か殺したい、殺さなきゃ、フランソワ見っけ
⇒殺す、しかし興奮しない
⇒自首、逮捕、回顧録を書く
⇒ぼくが殺したかったのはブロンデルだった、ブロンデルじゃなきゃだめだったんだ

要は、彼の殺人への欲望というのは手近なところで満たすことはできず、固有の対象を持つもので、むしろ愛に近い執着だったということなんだろう。
でも、元々は屈服させて辱めてそれから殺すみたいな妄想をしていたのになんでこんなさっくり済ませてしまったんだろうか。あれほどしたかったことをできていないじゃないか。やはり実際に人を殺すことのリアルさというのは妄想など吹き飛ばしてしまうような経験なんだろうか。

とにかくオナニーを禁止するのはよくないと思った。若い子が性欲を溜めるとろくなことにならない。罪悪感など持たず、抜きたいだけ抜けるようにしてあげたい。
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