"ジュリアス・シーザー"
シリーズ最新作公開ということで、おさらいの意味で再鑑賞。
タイトルに"創世記"とあるように、『猿の惑星』の始まりの物語としてうまくまとまっており、完成度は高い。
人間に育てられ、手話でコミュニケーションが取れる猿シーザーを主役に置き、遺伝子操作や過度な動物実験を行っている人間達が自滅していく様は、始まりの物語として、あの『猿の惑星』の衝撃的なラストシーンへ繋がることを想像させるのに十分。
主人公のシーザーは、パフォーマンスキャプチャーを利用しアンディ・サーキスが演じていますが、その演技が素晴らしく、他の猿よりも知能に優れた猿という存在にリアリティをもたらしていました。まだまだ成長途中のシーザーということで、まるで反抗期の中学生みたいな仕草を見せるのには笑ってしまいました。
そんな姿を見ていると、こちらも次第に人間よりも猿側に感情移入してしまいます。終盤、ついに人間達に反旗を翻して、檻から脱走する猿達の姿には否が応でも興奮させられます。
本作をはじめ、このリブートシリーズは、人間と進化の途中にある猿の対立がメインとなっており、『猿の惑星』というにはまだ程遠い状況。
そういう意味では、シーザー3部作が壮大な前日譚となっていたのだと、改めて思いました。
(再鑑賞)