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猿の惑星:創世記(ジェネシス)のnemnemのレビュー・感想・評価

4.0
リブート版猿の惑星の一作目。
旧作とは違い、今シリーズは完全に猿が主人公として描かれる。
地球が猿の惑星と化すまでの黎明期の話。
そして猿界のカリスマ、シーザーの誕生譚。

人間並みの知能を得た猿が人間に反旗を翻す話だが、本筋は王道で、聖書になぞらえるような描写が見られる。

聖書になぞらえれば、知恵の実を食べたシーザーが、罪により楽園を追われ、堕ちた先で苦しむ同胞たちに教えを広め、エイプ文明の夜明けを迎える話と言える。


まるでフランケンの怪物ように、人に似せて作られた怪物であるシーザーの孤独感や、猿の目線から見た人間社会の傲慢さなど、モンスターSFとして非常に面白く出来ている。

人の子のように育てられたシーザーが、リードを付けられ、すれ違う人達に奇異の目で見られることで、自他の決定的な違いに気付いてしまうシーンが凄く良い。


人間社会に居場所を無くし、人間の闇に追い詰められたシーザーが、ついに「No!」とフラストレーションを爆発させるシーンが最高。
猿たちの反撃が始まり、アーサーとモーリスらが路面電車の上でポーズ決めてるシーンはテンションブチ上がり。
観てるこっちはもう完全に猿目線である。

ゴジラやロード・オブ・ザ・リングのゴラムも演じたアンディ・サーキスのシーザーの演技が上手すぎ。
猿から段々知恵を得て人に近づいていく様が秀逸。
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