Kenjo

ブレードランナー ファイナル・カットのKenjoのレビュー・感想・評価

4.2
SF映画の金字塔とも言われる作品。
当時としては40年後くらいの2019年のアメリカを舞台にした映画。
当時はジャパンアズナンバーワンの時代だったので、監督の想像したアメリカの未来には日本の要素が多く組み込まれていて興味深かった。綺麗なネオンで日本語がマンハッタンに煌々と輝いていて、うどんの屋台がNYのど真ん中にある世界線どこいったんだ。日本の凋落っぷりを感じてしまう。

内容は、レプリカントと呼ばれる人造人間が地球に押し寄せてきてそれをブレードランナーと呼ばれるレプリカント退治のスペシャリストが駆逐するといった話。
レプリカントは、寿命が4年間しかなく、感情があるかどうか以外人間と全く変わらないという設定。なので、質問し対話することからレプリカントかどうかを見抜く必要がある。最新のモデルには現実の人間の過去の記憶を移植して4年間しか寿命がない以外にどこに違いがあるねんといった感じだった。
不死身なのは怖いから、寿命を設定をするのは分かるんやけど、さすがに4年は短すぎない!?って思った。そりゃ寿命を伸ばしに地球まで来て博士殺すよなあ。

色々象徴的なシーンが多くて面白かった。最初に会いに行ったのがレプリカントの目を設計した研究者だったり、博士を殺すシーンで目潰しをして殺したりと、レプリカントが目に執着してるように見えた。
物事を理解する時の感情は目を通しておこなわれると言いたいのかな。
あとは、蛇が出てきたところからレプリカントとの戦いが始まったり、セリフでも禁断の果実とか蛇の誘惑みたいなのはあったから、創世記のモチーフは割と含まれてるのかなと。
人間が人間を創って、人間が神のポジションになったという。

テーマが掴みづらくて分かりにくかったけど、人間とレプリカントの恋あたりは面白いし、ラストに繋がってくるね。
ジョーブラックは死神だったけど、これは人造人間で割と同じ"人間の感情を持ってない生命体"が恋の感情を持つという話として共通点ありそう。

終始、カメラワークとかアクションの感じとか音楽の使い方が独特でたまーにミスマッチ感のあるシーンもあったのかなと。

SF映画ってこんな感じだよーって分かるという意味で面白いけど、何が伝えたい映画なのかあんまり分からなかった。

続編のブレードランナーとレディプレイヤー1、AKIRAあたりは世界観似てるらしいのでこれから見たい。
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