★人間を人間たらしめるのは、何か。
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あるシーンが異常に心に残っている。それは、レプリカント(人造人間)が、"自分は人間ではない"ことを悟ったシーン。
そのレプリカントには、人間として生きた記憶があった。しかし、それらはすべて捏造された記憶だった。母親の笑顔も、幼い頃に習ったピアノの練習も。すべて科学者によってデータ化された記憶だった。
自分が人造人間であることを知り、悲しげにピアノを弾きはじめるレプリカント。言葉少なく、無駄なセリフは一つもない。人間になれなかった彼女の涙に、ただただ切なくなる。人間を人間たらしめるのは、記憶なのかもしれない。