あべきょ

ブレードランナー ファイナル・カットのあべきょのレビュー・感想・評価

3.8
めちゃくちゃサイバーパンクやん!と思いながら観てたけど、むしろこれが後のサイバーパンクを形作る金字塔的作品と知って納得した。こういう近未来的かつ退廃的な世界観はサイバーパンク興隆当時としては目新しかったのだろう。
そうしたエポックメイキングな世界観を表現する視覚と音響もそれぞれ楽しめた。ビジュアルは(ファイナル・カット版なので修正されているとはいえ)1982年とは思えないほど、建物や機械のデザインが細部まで作り込まれていた。特に序盤に出てくる巨大な構造物(おそらくタイレル社だったか)は、最近の作品『DUNE 』に近いぐらいの迫力があった。続編にあたる『ブレードランナー2049』『DUNE』の監督が同じ(ドゥニ・ヴィルヌーヴ)なのも納得。
音響的には、シンセを多用した80'sサウンドがBGMとして頻繁に使われているのが特徴的。『ストレンジャーシングス』然り、サイバーパンクと80'sは親和性が高いが、そこにはただ単にサイバーパンクが80年代に興隆したから、ということ以外にもっと本質的な理由がある気がしている。
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