みむさん

最後の決闘裁判のみむさんのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.5
リドリー・スコットの歴史決闘映画、楽しみにしていたが期待どおりだった。
でも今回はかなりの胸糞話。
リドリー・スコット史上一番胸糞だと思う。何作かに一回くらいこういう容赦ないやつ撮るね。
そしてアダム・ドライバーも今まで観た役の中で一番胸糞野郎だった。不快指数はかなりのもの。

ひとつの事件に至るまでを三人の視点で描き、誰が真実を語っているのかをも描く、今でこそ珍しくないスタイル。
今さら羅生門スタイルって言ってるけど他にもこういう作りの映画そこそこあるよね……。

マルグリードはさておき、とにかく出てくる奴がどいつもこいつも不快。
愛情どころか自分の名誉しか考えてないジャン、上にへつらい悪事を隠蔽ジャック、女性とチャラつくことばかりの公爵ピエール。

男性ばかりが酷いと思いきや女性も酷いのだ。立場があやうくなると手のひら返す友人、昔は耐えたのだから今も耐えよという母。
どちらも現代の社会にいるよねこういう嫌なヤツと昔を押し付ける老害。

そんなやつらばかりに囲まれ八方塞がりのマルグリード、よく意思を貫いた。
あそこで折れるわけにはいかないもんね。
マルグリード頑張れ…と応援したいが、この時代、自分で戦うことすら許されない。
人生を他人に決められてしまう。
しかもその決闘は愛するものの裁判という建前だけど男同士の的はずれなプライドのかけあい。まるでマルグリードそっちのけ、自分達のことしか考えてない。

さぞ自分で復讐したかっただろう。

DV、レイプ、セカンドレイプ…。しんどい事象てんこ盛り。昔々、こんな話があったんだね……

いやー疲れたし容赦ない胸糞映画だったが見ごたえありました。
そこはさすがリドリー・スコットだった。

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