稀代のヴィジュアリスト、リドリー・スコットの新作。緊張感の高い映画。
マルグリット(ジョディー・カマー)の告発が果たして真実なのかどうかを裁判ではなく決闘で決めるという中世の実話。
もちろん決闘のシーンは大迫力なのですが、そこに至る物語にも観るべき場面が満載です。プロローグ+3章+エピローグという構成。
ポスターは十字架にも見える2本の剣が交わるヴィジュアル。プロダクション・デザインが素晴らしかった。
ジャン・ド・カルーシュ(マット・デイモン)とジャック・ル・グリ(アダム・ドライバー)とマルグリットがそれぞれ1章ずつ物語の顛末をそれぞれの視点で描かれます。この構成が見事。
脚本を書いたのはマット・デイモンとベン・アフレックのあのコンビなんですよ。ただ女性の視点が必要だからその部分は製作も兼ねているニコール・ホロフセナーが担当。
アラソン伯爵ピエールを演じたベン・アフレックは金髪で初めは彼だと気づきませんでした。
メリハリの効いた演出で153分だれることなく14世紀の決闘裁判を甦らせたリドリー・スコットの演出は安心して観ていられました。稀代のヴィジュアリスとであると同時に偉大なストーリーテラーだと思います。