まーしー

最後の決闘裁判のまーしーのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.1
リドリースコット版羅生門と称されるように確かに構成が酷似している。
それだけ羅生門の構成や編集やセンスが素晴らしいものなのだと思う。
映画の時間としての流れを、逆手にとって観客に上手く伝えられている。

今作でも同じシーンでそれぞれの視点で描かれていて微妙な演技の違い、セリフや立場等々が違う所に、その視点側に立っているものの心情がよく描かれている。
例えばマルグリットがジャックに追われ階段を駆け上がるシーンで、彼女視点では履き物が脱げたのに対して、ジャック視点では彼女自身が脱いだ風になっていたり、ジャックとジャンが味方同士での戦いに挑んだ時に、助ける側が視点によって真逆になっている。

本当に丁寧に作り込んだ見応えのある作品である。
そしてその全てをラストに向かわせるあたりはさすがにリドリースコット御大、映画の見せ方をよく知っている。

もっと評価されてもいい映画なのに。
まーしー

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