ぽんちゃん

最後の決闘裁判のぽんちゃんのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.5
女性としてのらしさの当てつけ
いつになったら解放されるのだろう。

強姦された描写を見せなくてもいいのではないかという意見があるようですが、この映画のメッセージを誰の目にも明確にするために必要な描写だと思っています。

3人の目線で同じ時間軸を3章仕立てで展開する。3人目は被害者である妻マルグリット。跡取り、財産、権力、見栄、男性の傲慢さ、強要される女性らしさを彼女の視点を通して色濃く浮き彫りにされていく。行き場のない状態になってもなお、女性としての立場を追い立てられ、決闘裁判を迎えることになる。

本作は2.5時間ほどの長尺の映画だが、3部構成によって目が離せなくあっという間にエンドロールだった。
個人的には「82年生まれ、キム・ジヨン」と同じような衝撃を受けた。キム・ジヨンを観て思ったことは、女性らしさの強要の負の連鎖を自分自身が止めることやらないこと。それを当たり前のように次の世代へ伝えることだと考えています。改めて本作を観て同じ事を思いました。

どうか、マッチョな人達にリドリースコット監督最新作・中世決闘もの映画を呼水に届きますように。
ぽんちゃん

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