九郎丸

最後の決闘裁判の九郎丸のネタバレレビュー・内容・結末

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

これはキャストも脚本も素晴らしい。
3人の視点から構成が組まれていてそれぞれの真実(証言的なもの)が描かれてた。同じシーンが沢山あるけどその人の捉え方で心情、セリフや表情、演出が少しずつ都合の良いように違ってたのとかめっちゃ面白かった。

始まりの決闘の時はマットデイモンとアダムドライバー親友同士の友情の決闘、頑張れ!みたいな感じだと思ってたけど、内容を観て同じシーンが来た時は両方死んじゃえなんて思ったな。カルージュが決闘挑んだのも妻がレイプされたのが許せないんじゃなくて自分の名誉が傷つけられたのが許せないからだし。でもアダムドライバーは法で罰せられるべきだったからよかったのかも、まあその罰せられ方も決闘って言う人間的な罰せ方なんだけどね。そして、それからのそれぞれの生涯、マットデイモンは戦闘で亡くなったってのとかも納得できた。

今よりもまだ全然女性の地位が確立されてなかった時代の初めての女性の訴え。現代にも通じるテーマだったけどこの時代に比べたら少しはマシになった方なのかな。でもこれが600年前の話なら全然進んでないな。
どちらかと言うと終始重い話でそれはジョディカマーの表情一つ一つから伝わってきた、特に最後の決闘を観る表情。表情だけで虚無感があんなに伝わるのはすごい。

今年観た作品の中でも特に映画としての完成度が高かった。2時間半かなり引き込まれました。
九郎丸

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