映像も暗ければストーリーも暗かったけど、面白かったです。
悲しいことに現代でも起きている問題だけど、加害者の視点というのはもしかするとこんな風に捻じ曲がったものなのかも、と恐ろしくなった。
けれどわたしたちはル・グリにならないにしても、カルージュや義母やマリーになり得る危険性があるのではないか。時に主観的になり過ぎてはいないか。そんな事に気づかされた。
ただ一つしかないはずの真実も、それぞれのフィルターを通すと恐ろしく捉え方が変わってしまう。
そんな事実は、決闘裁判でどちらが勝ったとしても(ル・グリが勝ったら命はなかったわけだけど)、マルグリッドの心を晴らすことは出来なかったのだろう。
わたしはアダム・ドライバーのファンだけど、この作品のアダムには一切魅力を感じなかったというのは逆に、彼の演技が素晴らしかったということなのだろうね。
