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最後の決闘裁判のSpbのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.5
気持ちよく見終えることができる映画ではないけど映画としてめちゃくちゃ面白い。とにかく脚本が素晴しいのに加えて、演技も美術も撮影も超高級。

3章仕立ての内それぞれの章で同じ出来事が描かれるのに、台詞、行動、表情の変化がわかりやすいものから細かいものまで違いがあって夢中で見てしまうし飽きない。
そしてこの様々な違いによって、この映画を見始めた時に抱いたキャラクターに対する印象が全く違うものになることで、その時代の社会で当然であることに傷つけられた被害者にフォーカスしつつも、加害者の認識の違いや無知さを知らしめてくる構成が秀逸。

男の女性に対する意識の無さ、この時代の女性の立場が露わになり、現代が中世と何も変わってねぇじゃねぇかという恐怖。
そしてなんといっても、迫力満点で作られた1番の見せ場だったはずのものはただただ空虚なものでしかった衝撃。
最高品質の映像が繰り広げられる中で、キャラクターの成長だとかカタルシスなんてものは全く存在せず、全てが印象最悪になっていくギャップに胸糞悪くなりつつも「面白すぎる、、、すげぇ、、、、、」と思わせられた。
超絶大傑作。
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