キヲシ

最後の決闘裁判のキヲシのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
3.0
オープニングでこの決闘が始まる…で過去に遡り、最後に続きが描かれる。馬を駆り、すれ違い様に槍を突き合う。何度も何度も。観客席がそびえる壁に押し付け合う両者を見下ろす。へらへら?にやにや?する国王、母親、父親、友人たちが見守る中、馬から転げ落ち、戦いは泥まみれの肉弾戦へ。馬乗りになり「本当のことを言え!」と叫ぶマットデイモン、「俺はやってない」あくまでしらを切るアダムドライバー。「羅生門」のような三人の視点で語られる事件。アダムが宴席での戯れ?とジョディカマーのそれとを同じものとして記憶し、懺悔ですまそうとする最低野郎ぶり。「真実」と題されたマルグリットの話でようやく…なんだが、沈黙を強いるのは義母や友人。同じ体験をしたが黙って耐えて今生きているという義母に「否」を突きつけ、ともに決闘に向かうはずの夫にも。何故なら、そこに在るのは自分のプライドだけだから。孤独な戦い。見守る市井の人々の顔、顔、顔…。
追記 医者と同じことを「正義の場」で聞かれ、目が泳ぐとこが可笑しい。酷い質問なんだが…。この後の皆のいる廊下で「なんで大事な事言わねえんだよ」と詰める…マットよ、そういうとこだぞ…自戒を込めて記す。
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