ひま

Shariのひまのレビュー・感想・評価

Shari(2021年製作の映画)
4.2
圧倒的映像美と重厚かつ繊細な音響が素晴らしい。斜里で実際に暮らす人をドキュメンタリックに描く手法はクロエ・ジャオ監督に通じるものがある。しかしこの作品は紛れもなく吉開監督自身の映画でもあった。鹿の肉を食べて気づいた自分の中の獣の部分、野生性、沸き立ち巡る血。それを象徴する「赤いやつ」。雪の中で異質な存在感を放つそれは熱であり生きる力そのものの表象であった
「それでも私は雪がなければ生きていけない」作り手の作為を超えた子どもの言葉に、子どもの中に確かに息づく生きる力、「赤いやつ」を感じて震えた
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