魔法の存在を有り寄りの有りに傾けつつも白黒つけない曖昧な結末に面白さがあった原作を、本作では白黒つけない良さを残しつつ無し寄りに傾ける改変がされている。RKOの『キャットピープル』に代表される超常の存在を明言しない作品のヒットに対抗してユニバーサルが企画したのだろうけれど、当時の科学信仰の影響からか呪術・魔法を迷信(人の恐怖心や罪悪感が産み出す幻想)であると結論づけるような方向性は2度目の映画化『Night of the Eagle』のウーマンリブ前夜な改変と比較すると社会的背景が見え隠れして面白い。
というか原作のような魔法バトルなんて全く無くて、魔法を使ってた可能性があるのは主人公の妻のみ。魔法アイテムを燃やされてからは、三角関係の振られた側による復讐みたいなお話に終始してるのはガッカリ感が強かった。もちろんそういう要素が原作にもあるのだけど、魔法でも何でもなく単に復讐のために地味な嫌がらせを連発してただけっていうのが…😅もともと主人公が大学の女性教授と付き合ってたのに、ブードゥーを信仰してる島で若くて可愛い子を見つけて鞍替えしちゃうっていうクソっぷりを発揮したのが発端で、その振られた元カノがあの手この手で嫌がらせをするって感じ。それなりに面白かったけど、『Night of the Eagle』の方が好き。