MasterYu

カード・カウンターのMasterYuのレビュー・感想・評価

カード・カウンター(2021年製作の映画)
2.7
米軍刑務所に服役している間、独学でカードの扱いを学習した自称ウィリアム・テルは、出所後に各地のカジノを渡り歩きながら、ギャンブラーとして目立たず静かに過ごしていた。
しかし、自分の人生を狂わせた男と、その男の命を狙う若者と接触したことで、彼は過去と向き合うことになり・・・。

タイトルから「ラスベガスをぶっつぶせ(2003年)」のように、カード・カウントで残りのカードなどを推測するギャンブラーのヒリヒリしたプレーを堪能する作品かと思っていたら、過去に犯した罪に苦しむオスカー・アイザックが演じる主人公が、その罪を犯す原因となった男を殺そうとしている若者を正しい道へ戻すことで、贖罪を果たそうとする・・・そんな話で、思っていたものとはまったく違いました。

主人公が背負った重荷がなんなのか?構成上、そこがなかなかハッキリとしないので、すんなりと物語に入っていくことが難しく、またカードゲームに関しても、主人公が勝つことに執着がないので、そこでハラハラするような展開もなく。
結局終盤になって主人公がどんな罪を犯したのかであったり、若者を連れて行動しようとした真意がようやく分かるみたいな展開なので、全体的なバランスは悪かったように感じました。
戦時中のトラウマを扱う話としては、アプローチの仕方がよくあるパターンから外れているので、そこで観る側の感想が変わりそう。

オスカー・アイザックを堪能するといっても、この構成ではキツかったです。
私の嗜好からは残念ながら外れた作品でした。
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