ぺんじん

カード・カウンターのぺんじんのレビュー・感想・評価

カード・カウンター(2021年製作の映画)
4.2
シブい…シブ過ぎる…一匹狼の贖罪と復讐をスタイリッシュに描く激シブ映画!オスカー・アイザックの渋さが良いよな〜。
ポール・シュレイダー監督作はあんま観た事無いけど、話の構造としては前作『魂のゆくえ』と大分近い感じ。
アメリカという国が起こした問題を1人の男が背中に背負い、その原罪意識がラストで爆発する感じが前作と似ている。前作はそれが環境問題だったけど、今作はアブグレイブ捕虜収容所で起こった収容者虐待事件。主人公がウイスキーを飲みながら、ノートに日記を書いていく所は前作と同じなんだけど、これもやはりブレッソンの影響なのかな。
ポール・シュレイダーだから台詞のやり取りの良さは勿論なんだけど、GoPro的な映像があったりと映像的にもかなり楽しめる作りになっていた。決定的なシーンを直接映さなかったのは自分的には好みだったけど、スッキリとした解決を求める人にはちょっと不満だったかも。それにしても渋い…ただ男女の仲が深まってゆく描写だけはちょっと軽かったかも笑
とにかく静かに怒りを燃やす、オールバックのオスカー・アイザックのカッコ良さを端から端まで味わう一作。運に頼らず、地道にカードカウンティングを続ける男の静かな闘い。
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