柏エシディシ

カード・カウンターの柏エシディシのレビュー・感想・評価

カード・カウンター(2021年製作の映画)
3.0
ポール・シュレイダーの新作。
集大成にて新機軸でもあった前作「魂のゆくえ」後と考えると、"お爺ちゃん、またその話?"とつっこみたくなる、"いつものポール・シュレイダー"な作劇はやや吸引力が弱い気もする。
しかし、それでも"いつものポール・シュレイダー"。やはりコレが好きな私たちはいそいそ劇場に足を運ぶのだ。
そう、既視感があるといえば、ポールトーマスアンダーソンの「ハードエイト」とも似ている。お話の着地はこちらの方が呵責無いが、それでも少し微かな救いの光が見えるのも、ポール・シュレイダー節。
オスカー・アイザックのダークヒーローぶり、コメディのイメージのティファニー・ハディッシュの意外なイイ女ぶり。たっぷり堪能すべし。
タイ・シェリダンって、訳あり親父に面倒を見てもらう若輩者ポジションの役柄多すぎない?w
魚眼レンズを使った悪夢の収容所シーンや、きらびやかなる様で裏淋しさを漂わせるカジノホテルの雰囲気など撮影も印象的。
印象的といえば、独特の味わいを残す歌唱が脳裏にこびりつく劇伴。ブラックレーベルモーターサイクルクラブのロバート・レヴォン・ビーン。
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