えす

カード・カウンターのえすのレビュー・感想・評価

カード・カウンター(2021年製作の映画)
3.7
カードゲームによるカタルシスは皆無。モーテルの家具を白い布で覆い、麻紐を巻き付けるなどの偏執的な行動が、凄惨な記憶を仄めかすように反復され、決定的な瞬間はフレーム外で処理される。あまりにも静謐でストイック。手を繋ぐ際のきごちなさや、アクリル板での断絶における手の震えなど、その手元のカットにオスカー・アイザックの失われていた人間性が垣間見え深く感動。
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