ナリキヨ

カード・カウンターのナリキヨのレビュー・感想・評価

カード・カウンター(2021年製作の映画)
4.5
魚眼レンズで撮ったような、蹂躙拷問シーンが始まるまで、カジノで生計を立てる男の悲喜こもごもな感じ(地味なハードエイトみたいな)かと思っていた。
因みに数年前の、例の写真が暴露された時の話題はしっかり脳裏にこびりついてて、思いつきで詳細を調べて吐き気に襲われた事を鮮明に思い出す描写だった。
ライバルプレイヤーが全身星条旗柄でUSA!USA!と叫んでるのが皮肉で怖い。

オスカーアイザックのずっと憂いた瞳が、彼の歴史や罪の重さを物語っている。彼はあらゆる場所や人や行為に贖罪を求めていたけど、果たして何年服役したとか、自分が自ら同じ目に合うとか、そんな事が赦しになるのかどうか観ていても私は分からない。今の彼だけ見れば赦されてほしいと思うだろうが、冷静に考えれば一生でも許されることではない。そして、それは彼が一番思っていて、だからこそベッドの中でのたうち回り、苦しみ続け、自分を殴り続けるような人生を送るのだろうし

何より最後のシーンで、彼に温もりを与える誰かがいるって事に、私は涙を流してしまった。

魂のゆくえも好きだったけど、今回は雰囲気や内容や色々が私にヒットしすぎて、もうなんかー死ぬほど良かったですー(最後感想頭悪い)
ナリキヨ

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