Rei

LAMB/ラムのReiのレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.4
クリスマス・イブ、雌羊が『何か』の子供を身ごもった。
数ヶ月後、雌羊から異形が生まれる。
羊でもなく、人でもない『それ』。
子供のいない主人公夫婦は『それ』をアダと名付け、我が子のように可愛がるが……。


試写会にて鑑賞。
アイスランドの大自然が素晴らしく、羊舎や農園のリアルな生活を追体験できる。
羊たちや、主人公夫婦が飼っている牧羊犬と猫も可愛いのだが、何よりアダちゃんが可愛い。
こんなに可愛かったら、そりゃ我が子として育てたくもなるわ。お鼻をヒクヒクさせたり、人見知りしちゃったり、パパの胸板を枕にしてすやすや寝たり……。


こんなに可愛い要素がたくさん詰まっているのに、終始不穏な空気が漂っているのが堪らない。
流石はA24配給作品。

キリスト教の原罪をモチーフにしているようで(主人公の名前が「マリア」であることが後半で明らかになる)、実はもっと土着的なテーマを設定しているようにも感じる。


面白い要素がたくさん詰まっているが、ラストが解釈しにくく、飲み込みにくい点が難点。
ただ、その難点すらどうでも良くなるくらいアダちゃんが可愛いので、ポスターや予告にぐっと来た方は観るべきです。



【注意】
不穏なストーリーの映画に可愛い犬が出てくる場合、嫌な予感がする方も多いと思いますが、その予感の通りになります。
犬好きの方が鑑賞される際はご注意ください。
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