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LAMB/ラムのyokoのレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
4.2
ミッドサマーとかより全然良い。
冒頭の吹雪のシーン、向こうにうっすら何か見えてくる。少しミッドサマーのタイトルショットを思い出す。
ははーん羊が見えてくるんやな、それウマでした笑。おそらくアダ父の目線だろう。だから馬が怯えて?消え去る。彼はバフォメットのようにも見えるがw
犬や猫も凄い生活に関わってくるが、あくまで家畜の羊との対比だろう。羊の従順さ、盲目さ、生贄感。

雄大な、綺麗な自然というより、なんか牢屋のような、壁に囲まれたような、もうここからでることはないのだろうなという諦めも感じる。

主役のノオミの顔も良い、ルーニーマーラをやつれさした感じ。ルーニーだとまだ華があって人生あきらめた感がないからね。あと鼻筋、鼻梁の始まりのおでこからのストレートに伸びる感じ凄い動物っぽくてよい。

弟は何かトラブルを起こしそうで起こさない。起こしたら物語の起伏にはなるが、夫婦の異常さが際立たない。あのなりでデペッシュモードみたいな歌をやってたのが面白い。






なぜ女の方を殺さないんだ!という人もいるが。
復讐とはイーブンの状況に置くことなので、最愛の妻を殺されたという自分の状況に合わせて相手の旦那を殺す。それで正解。

羊や広大な自然描写でで聖書的な読み解きを連想しなくもないが、それより、悪の法則、ノーカントリーみたいに引き金を弾いた時もうシステムは回り出しているんですよ!どーん!的なものを感じる。

最後の表情、はっきりとは覚えてないのだけど悲しさだけじゃない、清々しさも感じた。おそらく山に囲まれた陸の孤島、牧場、農場、に囚われる必要が無くなったから。

ミッドサマーが場所に囲われることで自分の居場所!と見せる笑顔と逆で、彼女の持つ知的さ(おそらく、ピアノやsfを嗜むワタシ!心のどこかで羊農場は似合わないと思っている)に似合わない山壁の牢屋で羊と芋と共に終焉を迎えるのかと諦めていた。しかし彼女の前に娘も消えた、旦那も消えた、またスタートできる!という清々しさ。
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