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LAMB/ラムのMasterYuのレビュー・感想・評価

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
2.9
アイスランドの山間で暮らす羊飼いの夫婦イングヴァルとマリア。
ある日、羊の出産を立ち会うと、羊ではない「何か」が産まれてきた。
子供を亡くしていた2人は、その「何か」にアダと名前を付け育てることにするのだが・・・。

インパクトの強い設定で興味を惹かれましたが、その設定と相反してとても静かに進行していく寓話的なストーリーでしたね。
寓話やお伽噺は、奇天烈な設定の中に教訓的内容を含むものですが、本作も正にそれで、更にはキリスト教的なアプローチも感じられたりして、そこら辺に明るい人なら、作り手の意図、教訓を何に置き換えて語ろうとしているのか、狙いはなんなのか分かりやすかったりするのでしょう。
もちろんそこらに明るくない自分には、狙いを明確に理解することはできなかったのではないかと。

ある者を同等と見ない者に対する報い、とかそんな感じなのではないかと推測はしましたが、とはいえあのラストシーンにおけるマリアの表情はどう読めばいいのか?
その読み方次第で、秀逸な締め括りと思うか、「何じゃこりゃ?」と思うか分かれそう。

アイスランドの広大な自然の画、その中で流れる静かな時間。
そんな構成と雰囲気は好みではありましたが、自分の中では上手く消化しきれない内容でした。
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