ほのすと

LAMB/ラムのほのすとのネタバレレビュー・内容・結末

LAMB/ラム(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

自分一人で観に行っていたら、ラストのせいでハ?ハ?ハ?ハ?ハ?ハ?は?は?は?だけのレビューを書いていたと思う。
人のレビュー読むのもだけど、観た後だれかと話すことでより理解できる映画だと思いました、考察&解説&レビューしてくれる方々、ありがとう…!!


物語は基本、台詞少なめ風景描写多めで進む。が、動物の視線、仕草(演技?)がこまめに挟まれて不穏な空気をつくっているし、
アダも言葉を話せないので、仕草や視線で感情を読み取ることを(観客側も)強いられ、
ずっと妙な緊張感を漂わせていたのがすごい。

お話自体も、たんたんと粛々と平坦に進んでく感じ。
半獣人が生まれてもオーバーなリアクションもなくふつーに育てている。(そんなことある?)
ので、逆にこの夫婦はなんか大犯罪とか、黒魔術とか、悪魔崇拝でもしてるのか???と思うほど、奇妙な日常を普通に過ごしていく。
このまま大きな波もなく不気味なまま終わる映画かなぁ~、それもまたいいかもなぁとか思っていたら、ラストのアレ。

ハ?
推しがじょうじみてぇな全裸の化け物に急に殺されたんだが???ハ?????


でもいろんな方のレビューや考察を見て、
確かに、まずマリアが母親から子を奪い、母親(化け物から見たら妻)を殺したので、
アイツがしたことも、子を奪い返し、敵(マリア)の配偶者を殺し……って因果応報なんですよね。
アダも、アダ自身の意思は無視されがちだったかもしれないけど、人間の輪(スポーツ観戦、音楽や踊りに対する関心)に完全に馴染むわけでもなく、本人にもなんとなく違和感があったのかなあという描写や、弟に差し出された草を躊躇いなく食べてしまうなど本能に従ってしまう「獣」のシーンもあって、
マリアイングヴァルと人間として生きていくより、全裸ムキムキ毛むくじゃら野郎みたいになってしまってもあんまり不幸と思わない(幸不幸を思う知能も無い)のかも…と思ってしまいました。毛むくじゃら野郎と過ごすうち、そのうち人間に育ててもらった数年?のことを忘れてしまうのかな…とか。そのほうがアダ的にはきっと楽だし……。覚えていたら、そのほうが辛いかもだし…
ねぇまじあの化け物なに?


個人的にツボだったのが、アイスランドの壮大な風景をおさめるあまりに、イングヴァルがたびたびモブ化するような画角があったこと。
トラクターのシーン、そんな右下行く!?って笑ってしまった。イングヴァルの感情の余韻を表現してるのもあったかもしれないけど…(笑)

はぁ………。
ほのすと

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