このレビューはネタバレを含みます
雄大な風景とそこにある家、そして山羊と犬と猫。このどれもがどことなく不吉さを漂わすが、基本的には洒落た映像に落とし込まれていて良かった。
ラストは、「あ、そっちですか」となったがこれはこれでアリ。新しい子を授かって、そこから大人たちの心境の変化を描くのかと思っていたがハズレた。
ほとんど会話もなく暗めのシーンが続くがハンドボールの観戦シーンと弟のMVのシーンは笑ってしまった。
この映画のテーマは多様性だと思って鑑賞していた。羊とも人とも言えないようなアダを受け入れていくような話。弟が現れてからはアダを受け入れられない勢力が加わり物語を加速させていった。しかしこの作品の主張は因果応報なのだと思う。
マリアはアダの実の母親である羊を殺している。これは許されることではないだろう。しかも母親羊を殺したことを知っている弟も強制的に排除した。
これらの罪の上に作られた非現実的な幸福は長続きするはずがないということだろう。